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ナリタノヒトビト - 「航空科学博物館」館長 郡司 文夫さん

成田といえば、成田山新勝寺を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、見どころは新勝寺だけではありません。成田には、訪れる方々をおもてなししようと活動している人達も沢山いるので、ぜひ彼らのことも知っていただきたいのです。
ここでは、そんな彼らを「ナリタノヒトビト」としてご紹介します!

 

今回のゲストは「航空科学博物館」館長の郡司文夫さん。成田空港隣接地である千葉県山武郡芝山町に位置する航空科学博物館の館長として、様々な活動に取り組まれています。これまでの取り組みや今後の活動について、詳しくお話を伺いました。

ー航空科学博物館について簡単に伝えるとしたらどういった施設ですか?ー

航空科学博物館は平成元年に日本初の総合航空普及施設として作られた施設で、今年度8月1日をもって35歳の誕生日になります。
航空科学知識の啓発、とりわけ青少年に対する、航空科学技術の振興等を目的として開館し、今に至っています。
芝山町の地になぜ日本初のこういう施設があるかというと、昭和53年、成田空港が開港する前の年に、芝山町の方からそのような博物館を設置してほしいというご要望もいただいたので、ここに建設されました。

ーご自身のこれまでのご経歴をお聞かせください。ー

1987年に当時の新東京国際空港公団に入社いたしまして、いろいろとキャリアを積ませていただいた後、2020年の7月にここに着任して、6月末日をもってまるまる4年をここで館長させていただきました。

出身は、今新しく空港機能強化で土地を空港会社が広げようとしている多古町ですね。生まれも育ちも多古町です。
今の状態でも多古町は一部空港の敷地にはなっていますが、今回の機能強化で、芝山町と共に、多古町の方にもこの空港が大きく広がってきます。
また圏央道のインターが芝山町と多古町の間にできるということで、両町は空港の裏側というような言われ方をしていたのが、圏央道の新しいインターから空港にアプローチする時には、空港の表側になるという、成田空港が建設・開港されて、初めて、このエリアが空港の表玄関になるような時代に居合わせていると思っています。

ー空港周辺エリアで好きなスポットを教えてください。ー

太平洋、水田、そしてその上を飛ぶ飛行機、というところで、太平洋を望む関東平野の水田の景色、そこを飛行機が飛んでいくという絵が好きですね。

ーどうしてその景色が好きなのですか?ー

昔は好きじゃなかったんですよ(笑)歳を取ってから好きになったという。都会の方々から、自分は田舎の人と言われてすごく悔しい思いをした昭和の時代でしたね。
歳を取ると、ふるさとの自然の美しさが、こう、心に沁みてくるようになって。芝山町や多古町は水田に飛行機が飛んでいる様子が見えるんですけど、その先にこの九十九里ビーチがあるというところで、世界に広がってるなと。飛行機がふわっと飛んで、彼方の地に飛んでいく、どこに飛んでいくのかと思いを馳せる。
みんな世界に繋がっていて、そこに人間の生命のゆりかごだった海があり、そして自分を育ててくれた大地と稲穂が揺れている。自分の居場所というか、自分はここをベースに生まれ育ってきたんだなと感じます。

ー成田空港エリアを読者の皆さんにどのように楽しんでもらいたいですか?ー

外国人向けには、博物館が所在するエリアを「スカイパークしばやま」として、町が観光拠点に位置づけて、それを整備し強化する連絡協議会が昨年度立ち上がってます。
空港からバスで十数分でここまで来ると、日本の自然と文化と、食と人との交流ができる。成田山新勝寺の参道も素晴らしいんですけど、空港を起点に考えたら、新勝寺よりも近いところに自然や日本らしさが体感できるエリアが広がっている。環境体験型のエコアグリパークや水辺の里もあって、四季折々の花も咲くし、空の駅に行くといろいろと美味しい品物もあるし、地域の方はおもてなしの心で町外の人達を迎え入れる。特に外国人の方々には日本らしさを感じてもらえるだろうと思います。

日本の国内の方々も、飛行機が間近に離発着するという非常にダイナミックな体験をすることができるし、エコアグリパークや水辺の里は本当に真上を飛行機が飛んでくるエリアを歩ける。羽田と違って、いろんな種類の外国の航空会社、いろんなタイプの航空機が飛んでくるので、飛行機を見るだけでも楽しいですよね。
食べ物は地のものもあるし、野菜も美味しいし、うちの博物館から眺める眺望としての空港も良いし、ということで、都心からアクセスの良いアミューズメントエリアを、いま皆で「スカイパークしばやま」として造ろうと。

東京ディズニーランドのシンデレラ城を航空博物館に見立てて、いろいろなアトラクションがある、みたいなものが、これ全然コンセンサスは得られていないんですけど、究極の形と思っています。
上野の森が、数多くの外国や日本の観光客の方々で賑わっていますが、そこには、上野の森という緑があって、博物館・ミュージアムがあって、不忍池があって食べ物屋さんがあって。それらの要素としては、この空港周辺エリアも揃っている、ボリューム感はまだまだですけれども(笑)
空港に近いその自然豊かなエリアで、地域と空港会社と、航空会社含めた事業所の方々で、素の日本を味わえるようなエリアをみんなで創れたら嬉しいです。

 


航空科学博物館

  2024/08/26