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ナリタノヒトビト - 株式会社滝沢本店 代表取締役 滝澤 直樹さん

成田といえば、成田山新勝寺を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、見どころは新勝寺だけではありません。成田には、訪れる方々をおもてなししようと活動している人達も沢山いるので、ぜひ彼らのことも知っていただきたいのです。
ここでは、そんな彼らを「ナリタノヒトビト」としてご紹介します!

 

今回のゲストは株式会社滝沢本店 代表取締役の滝澤直樹さん。成田山新勝寺の表参道に店を構える「長命泉」六代目当主に、蔵の歴史や酒造りのこだわり、そしてご自身のストーリーについてお話を伺いました。

ー長命泉の始まりについて教えてください。ー

初代は滝澤榮蔵という人物で、新潟で酒造りをしていた人だったそうです。その人が成田山詣に来て、夢の中でお不動様が現れて「この地で酒を造りなさい」とお告げがあったという話が伝わっています。
酒造りの知識はありましたし、この地域には米も水もある。人も集まる場所だったので、「ここで酒を造れば商売になる」と考えて、村外れの地に酒屋を開業したのが長命泉の始まりです。
現在は尾垂浜にある石の鳥居が、昔はうちの蔵のそばにあったとも聞いています。まさに「参道の始まり」がうちだったんじゃないかと。今でも、向かいにあるライオンズ・デンさんの隣はお墓ですよね。普通は街外れにあるものなので、当時は本当に村の外れだったんだろうなと思います。

ーいまは六代目ということですが、酒造りの体制も変わりましたか?ー

そうですね。初代が新潟出身だったこともあって、以前は越後杜氏が中心でしたが、五代目のときに岩手の南部杜氏・高橋さんを招き、南部流の酒造りに変わりました。
その高橋杜氏も、コロナ禍の中でお亡くなりになって、頭(かしら)も数年前に他界されて、今は社員と私で酒を造っています。

ー酒造りにおけるこだわりを教えてください。ー

初代からそうですが、水と米にこだわっています。基本的に、千葉県のお米と成田の水を使って仕込むことで、その土地の味に近いお酒ができると思っています。
ただ、大吟醸や純米大吟醸に関しては、どうしても山田錦を使いたいので、兵庫県産のものを使っています。
また、私が岡山県出身なので、岡山発祥の雄町(おまち)というお米を使ったお酒も、限定で仕込んでいます。これは私が蔵に入ったときに、「うちの地元のでもろみ一本だけ作ってほしい」と杜氏にお願いして造りはじめました。それが「長命泉 備前雄町」というお酒になっています。

ー滝澤さんご自身のご経歴についても教えてください。ー

私は岡山出身で、父親は国鉄マンでした。高校までは岡山にいて、大学から千葉・野田に来ました。社会人になって稲毛に住んでいた頃に、今の妻と出会って結婚し、その後成田に住み始めました。
前職はシステムエンジニア(SE)で、ずっとIT業界にいましたが、2006年頃から蔵に入るようになりました。もう20年近くになりますね。

ー珍しいご経歴ですよね。ー

今どきはあるんじゃないかとも思いますが、ないかもしれないですね(笑)
たまたま結婚した相手が酒蔵の娘だったので、酒造りを始めたということですね。

ー成田で好きなスポットはありますか?ー

マロウドホテルの上のレストランから見る夜の滑走路は好きですね。
あと、うちの蔵は崖の上に建っているので、朝日がよく見えるんです。早朝の仕込みを終えて、屋上に出るとちょうど朝日が昇る瞬間が見えて、それがすごく綺麗で、好きな時間です。
千葉銀行跡地のイベントスペースも、朝に行くとちょうど朝日が上がってくるのが見えるはずです。京成線の先から太陽が出てくるんですよ。

ーこれからの成田の未来に向けてどのように行動していきたいですか?ー

成田には本当にたくさんの団体があって、いろんなイベントをやっています。私もいくつか関わっていますが、海外の人も含めて、やっぱり人が集まれば、お酒も飲んでもらえるし、食事もされる。賑わいがさらなる賑わいを生んでいくので、そういう地域の盛り上げには積極的に関わっていきたいですね。

ー成田を初めて訪れる方に、どんな楽しみ方をおすすめしますか?ー

成田では毎月のように何かしらのイベントがあります。太鼓祭り、祇園祭り、もみじ祭りや梅祭りなど、一度来て終わりではなく、ぜひ何度か訪れてほしいですね。イベントごとに違う楽しみがあります。 あとは、うなぎをはじめ美味しい食べ物も多いので、ぜひ食も楽しんでいってください。

 

蔵元直売店『長命泉』

 

  2025/04/30