成田といえば、成田山新勝寺を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、見どころは新勝寺だけではありません。成田には、訪れる方々をおもてなししようと活動している人達も沢山いるので、ぜひ彼らのことも知っていただきたいのです。
ここでは、そんな彼らを「ナリタノヒトビト」としてご紹介します!
今回のゲストは、成田エリア新聞 編集長 佐々木敬太郎さん。「成田エリア新聞」は、もともと成田市・富里市で朝日新聞を届けていた販売店が、地域の声を伝えたいという思いから始まったミニコミ紙です。紙の発行を終えてからも、その精神は途切れることなく、Webメディアとして形を変えて続いてきました。そんな活動の内容や、ご自身の思いを伺いました。
ーまずは活動のきっかけを教えてください。ー

「成田エリア新聞」は、もともと僕が経営していた新聞販売店のサービスの一環として始めたものなんです。地域の情報を発信したいと思って作り続けていたら、気づけば10年、1000号以上出していました。
当初は観光というより「成田の中の人」に向けて、地元で頑張っている人を紹介する目的でした。成田って住んでいても、自分の街にどんな面白い人がいるか知らない人が多いんですよね。だから、そういう人たちをつなぐハブになれたらと思っていました。
ーこれまでどんな活動をされてきましたか?ー
「成田エリア新聞」以外にも、公津の杜でマルシェを開催したり、選挙の投票率を上げるための啓発活動を個人でやっていた時期もありました。今は、ほこみち制度を利用した「なりみち」プロジェクトという駅前マルシェのような取り組みや、若者の選挙啓発に取り組む「NARITA VOTE CONNECT」というプロジェクトが成田市にはあります。2つとも直接かかわっているわけではないのですが、かつて自分が個人だったり仲間とやっていた活動が、こうして形を変えて繋がっていると思うと、勝手になんだか嬉しく思っています(笑)
ほかにも、コロナ禍で外出できなかった時には、テイクアウト可能な飲食店を紹介する地図をつくって応援したり、酒蔵祭りのオンライン配信を手伝ったり。一人でできる範囲で、成田の動きを見てきた感じですね。最近は自分が前に出るよりも、声をかけられたときに応援する側になることも多いです。
ーなぜそこまで地域のために活動しているのですか?ー
正直、明確な理由はないんです。ただ、楽しいんですよね。
街にこんなに良いお店があるのに知られていないのはもったいないし、素敵な活動をしている人がメディアに取り上げられないのももったいない。
せっかく住んでいる場所なんだから、良い素材をもっと活かしたい。料理みたいに、バラバラの素材をうまく組み合わせて形にすることに面白さを感じるんです。
ーご出身はどちらですか?ー
生まれは松戸で、子どもの頃は市川で育ちました。高校の途中で家族が成田に引っ越してきたんですが、そのころは僕はもう都内で一人暮らしをしていたので、たまに帰る実家が成田というかんじで、いわゆる“よそ者”からのスタートです。
だからこそ、成田の良さを客観的に見られる立場なのかもしれませんね。
ー成田で好きな場所はありますか?ー

僕は外小代公園が好きなんです。外周道路沿いにある小さな公園で、古墳や桜があって、ちょっとした丘のような地形で、田園風景が見えて心地いい。職場が近かったので、よく昼寝してました(笑)。
あとはさくらの山公園もランニングコースでお気に入りです。週末は大体そこまで走っています。
ー今後の展望を教えてください。ー
成田エリア新聞のWEB版は今も閉鎖せず残しているので、また少しずつ復活させていきたいと思っています。
メディアって立ち上がっては消えるを繰り返しているけど、競い合うよりも役割分担をして、いろんな角度から成田を発信できるようなネットワークが作れたらいいなと。
僕自身はこれから、若い世代の挑戦をサポートしたり、裏方として地域を支えていく立場で関わっていきたいですね。
ー読者へのメッセージをお願いします。ー
成田には「展示されている宝」じゃなく、「埋まっている宝」がたくさんあります。
空港利用のついででも、出発前後に一泊して街を歩いてみてほしい。参道以外にも面白い裏道やディープスポットがいっぱいあるので、週末の目的地として「成田に行こう」と思ってもらえたら嬉しいですね。