日本では古来より月を愛でる慣習があり、月に餅をつくウサギが住んでいるというなんとも可愛らしい伝承が語り継がれてきました。
四季折々、いろいろな表情を見せる月ですが、暑い夏が終わり空気が澄んだ秋の空にうつる満月は特に美しいものとされ、中秋の名月として親しまれています。
この中秋の名月というのは、旧暦で8月15日に現れる月のことで、十五夜という名前でも有名。この日に合わせてお供え物をして、お月見だんごを食べたり、お月見酒を用意して楽しむのが古くからの慣しとされています。
2020年の中秋の名月は10月1日。
秋の夜長、是非空を見上げて月を眺めてみませんか？
成田のお月見にぴったりなおだんご、お酒と、お月見スポットをご紹介します。
お月見の風習 —お月見酒とは—
お月見の風習は鎌倉時代あたりから庶民にも広がり、元々行われていた農業の収穫祭などの催事と結びついたと言われています。そのため、中秋の名月では収穫物である里芋や稲穂を神にお供えし、感謝の気持ちとともに酒を飲んでお祝いをします。
秋の夜長にゆっくりとお酒を飲みながらお月見をするなんて、とても素敵ですね。 成田山参道にある2つの酒屋さんで、是非お月見用の日本酒を手に入れたいところです。
■成田と言えば！ 蔵元直売所『長命泉』
江戸時代末期より代々続く老舗酒造です。
お店は成田山表参道の中腹にあり、成田駅から徒歩5分でたどり着けます。
長命泉 源造徳利 300ml （税込価格 1,101円）
長命泉でおすすめのお酒はこちら。
中に詰められているのは長命泉の特醸酒。辛口ですが、ドライな飲み口の後、お米の甘さが広がるお酒です。
おすすめポイントはなんと言ってもその形。昔ながらの徳利にコルクで栓がされていて、お猪口もついてきます。
別で酒器を用意することなく、日本酒を昔ながらのスタイルで楽しめるのは嬉しいポイント。
焼き物の徳利とお猪口は洗えば再利用できるので、自分へのお土産にすることも可能です。
熱燗にする際も、そのまま電子レンジに入れられるのが嬉しいですね。
■成田山新勝寺総門前からすぐ 鍋店 成田門前店
鍋店株式会社が製造販売する不動。
なんと1689年から続く老舗酒蔵です。
不動 ひやおろし 特別純米 生詰原酒 720ml (税込価格1,351円)
成田門前店でおすすめのお酒はこちら。
「ひやおろし」とは、春に一度だけ火入れしたお酒を秋まで熟成、貯蔵したお酒のことを指します。
通常の日本酒と違い、熟成されているため、まろやかな口当たりが特徴。
秋にだけ楽しめるとても貴重なお酒なので、お月見酒にもぴったりです。
不動のひやおろしは優しい口当たりで、お米の甘さがしっかり感じられる飲みやすいお酒です。
日本酒が苦手な人、普段あまり日本酒を飲まない人にもお勧め！
お月見の風習 —お月だんごとは—
中秋の名月に合わせてお供えされる物のなかで、一番ポピュラーなものがおだんごです。
由来については諸説ありますが、元々は旧暦8月の収穫物である里芋を模して作られたと言われています。
成田山表参道で是非お月見だんごを手に入れましょう。
■成田の老舗和菓子屋 なごみの米屋総本店
なごみの米屋は創業120年を超える成田市の老舗和菓子店。
成田駅から徒歩15分ほどの場所に位置しています。
毎年十五夜に合わせて販売するおだんごは、並ぶ人が出るほどの人気商品。
(＊写真は2019年のものです。2020年の販売についてはなごみの米屋公式ホームページをご確認ください。)
三方台がついた本格的なお月見だんごです。せっかくのお月見、形にこだわりたい方は是非お試しを！
お月見の気分を味わう！成田駅近くのおだんご屋さん
次にご紹介するおだんご屋さんは、お月見用のおだんごは特に用意をしないとのことですが、成田で出来立ての美味しいおだんごを購入できるお店なのでおすすめです。
その場で出来立てを食べるのはもちろん、お月見に合わせてテイクアウトも可能です。
■食べ歩きにおすすめ 榎屋
榎屋は成田駅から徒歩15分、前述のなごみの米屋の10m手前に位置しています。
ユーモアのある店主さんが七輪の炭火でおだんごを焼いてくれるおだんごは、味噌だれ、こしあん、みたらし、カボチャ餡の4つから味を選べます。
味噌だれだんご (税込価格380円)
今回購入したのは味噌だれ。炭火で焼いた香ばしい弾力のあるおだんごに、甘じょっぱいタレが絡んで、噛めば噛むほどにその美味しさが楽しめます。
その場で焼き立てを食べるのがいちばんのおすすめですが、持ち帰りと伝えると、容器に入れて提供してくれます。
少し時間の経ったおだんごは、電子レンジで30秒ほど温めてください。
この方法は、日本で2番目に美味しいみたらし餡を自負するご店主から教わりました。(本当は1番と言いたいけど、謙虚な性格が邪魔して言えないそうです笑)
■つきたて、焼きたてのお団子 後藤だんごや
1845年創業、毎朝一から臼と杵でついているおだんごを、注文を受けてから焼くこだわりの老舗です。
なごみの米屋の隣に位置しています。
あんだんご (税込価格 480円)
柔らかくてふっくらとしたおだんごが後藤だんごやのおだんごの特徴です。
あんこはさっぱりとした甘さで、後に残らない爽やかな口当たりなので、甘いものが苦手な人にもおすすめです。
注文をしてから焼いてくれるので、温かいままのおだんごが楽しめます。
お月見の時間まで取っておきたい方は、注文前にテイクアウトとお伝えください。
こだわりのおだんごは時間が経っても柔らかいままですが、冷蔵庫に入れた場合などは電子レンジで少しだけ温めてください。
お月見の風習 —成田のお月見スポット—
お月見酒もお月見だんごも楽しんだ方、もしくはこれから楽しむという方。
宿泊先から少し足を伸ばして、絶景のお月見スポットを訪れてみませんか？
月を眺めながら歩く道中はもちろん、ご紹介するお月見スポットで見上げる名月は一見の価値ありです。
■駅からすぐ！ 栗山公園
成田駅から徒歩3分の場所に位置する公園です。
公園までの行き方はこちら！
駅からの道は街灯があり、公園内も明るいので夜でも安心して利用可能なこともお勧めポイント。
駅から近いのに、駅前の喧騒が聞こえず静かでまったりとした雰囲気で夜空を見上げられる、絶好のお月見スポットです。
いくつもベンチがあるので、買ってきたお月見用のお酒やおだんごを広げてゆったりと。静かな公園に、リンリンと鈴虫の心地よい鳴き声がよく響きます。
実は栗山公園はSLのD51が展示されていることで有名な公園です。
満月とSLのコラボレーションは、まるで銀河鉄道の夜の世界のようで幻想的かも？！
いかがでしたでしょうか。成田にはお月見を楽しめる要素が盛り沢山です。
秋の夜長に、是非風流なお月見をお楽しみください。
＊買い物やお月見の際はソーシャルディスタンスを守り、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を徹底しましょう。
